「久しぶりに兄貴に会いたい」というじーさまの願いをかなえるため、先日京都へ行ってきた。

91になって腰も曲がってきたのに長旅なんて大丈夫?と思ったけれど、たまのドライブは息抜きになるだろうし、3つ上のおじさんと会えるのはこれが最後かもしれない。
どうせ1日中車イスに座っているんだから、クッションのいい車のシートに座って景色を見ていた方がいいかもと思って、でも、泊りがけで世話するのはさすがに自信がなかったので、本人もそれで納得してくれた。

朝7時半に迎えに行って、夜8時に連れて帰る片道5時間の強行軍。
朝食のお弁当と薬と着替え、紙おむつ、ウェットティッシュにバスタオルetcと準備も万端。
結果は、替えのおむつは1つも使用することなく、2回トイレに立ち寄って、大も小もちゃんと間に合って、もちろん着替える必要もなかった。
私の方は眠くて時々こっくりしていたのに、じーさまいつ見ても起きていた。

瀬戸大橋を渡り、娘たちが住んでる姫路を過ぎて、神戸、大阪、ここら辺に来ると、息子の苦い思い出がよみがえる・・(汗)
家は大阪からすぐのところだったので、期待していた京都の景色を楽しむ前に到着。
それでも近くに広い竹林があったり、神社仏閣があちこちに点在するいい所だった。

リビングの窓側に介護ベッドが2つ並んでいて、おじさんは足が弱く車イス生活、
89のおばさんは耳が聞こえず視力も落ちて、歩けはするけど腎臓が弱くて脇には導尿したビニール袋。
なんと娘さん2人が1か月交代で、わざわざ松山から高速バスで来て泊りがけでお世話しているそうだ。その上、二女さん、家に帰ってもご主人の両親をみなきゃいけないんだって!
ひえ~!! 
まだ、それでもこっちで実の親の世話をする方が気は楽らしい。
話してる最中にも何度もおじさんが「○ちゃん(娘さんの名前)」と呼んで、冷房が寒いだの、車イスの向きを変えろだの、こっち向きは体の様子がおかしくなるだのうだうだ・・
「ホント寂しがり屋のくせに強情で・・」
おばさんが入院した時も、「施設に入る?」と聞いた時もおいおい泣いてご飯を食べるのを拒否したらしい。

実家の父も、母が入院しても施設に入るのを嫌がって、結局、妹や弟たちが交代で毎晩泊りに行っていた。たとえ3週間でも大変だったのに、この生活がもう3年も続いているんだって!
この家をたたんで、娘さんちの近くに家を借りようとしたら直前におじさんが「やっぱりこの家を離れたくない。京都を離れたくない」と断固拒否し出して大変だったそうだ。
うわ~ 実家の父以上に強情なおじさん発見。。

娘さんたちも60代半ばなのに、自分の生活もあるのに、きついよね。
それでも、2年以内にはどうにかしてこの家を離れるって言っていた。
あとでじーさま、「それまで(兄貴の寿命が)もたんぞ」とポツリ・・
(何食わぬ顔してしっかり聞いていた!)
おばさんは目、少しは見えるのだろうか。私のことを本当に懐かしがって喜んで手を握りしめてくれたし、耳も聞こえないのに大きくはっきりと「ちっとも変わらず若くてキレイね」とベタぼめしてくれ、会話もできてよかった。もしかして昔の記憶の私に向かって言ったとか? 
「年とってしまって恥ずかしいから今さら故郷に帰っても」とも。
確かに転勤で移り住んだまま居ついた第2の故郷の生活が長くなると、年老いて今さら家を離れる気にはなれないのかもしれないな。

おじさんとじーさま、ろくに話もしないけど車イス同士でひざつきあわせて兄弟で手を握り合い。
また会えるといいね。





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